理想の野球 (PHP新書)
野村監督は元々好きで、本屋でぱらぱらとめくって面白かったから買って読んだ。(野村監督は、その肩書きが外れても一生「監督」ですね。「氏」も「さん」も変です。)
まず嬉しかったのは野村監督のダルビッシュ評を聞けたこと。彼によればダルビッシュは「面白くない」のだそうだ。その意味は完全に試合をコントロールしていてキャッチャーの出る幕がないから。力不足のピッチャーをいかに勝たせるかにキャッチャーの意義を見いだす野村監督にとって、この言葉の裏返しはダルビッシュに対する賛辞である。ダルビッシュファンの自分にとってこの上なく嬉しかった。
さて今回の本の特徴は、”20○○年の△△vs□□戦”と最近の試合を取り上げて、何が勝敗を分けるポイントになったのか解説を加えているところにある。はっきり言って一つひとつ試合を見ているわけではないので(見ていても覚えているとも限らないので)、最初はそんな具体的にやられても付いていけないだろうなと思ったが、そこは野村監督、なぜかすんなり頭に入ってきた。
そこが野村監督のすごいところ。今回の場合、具体的な【場面】をまず取り上げ、それを万人に通用するように一般化【問題化】し、さらにそれをどうすべきだったかという段階【対応策】において具体的に説明するという手法をとっている。野村監督の思考は単純ではないので簡単ではないのだが、他の誰よりもその言葉に引きつけられるのは、そういうところの積み重ねにあると思う。
p.s. 野村監督の本は全部一緒で一冊で十分!とか言ってる人がかわいそうになる。少なくともこの本はこれまでとは違うアプローチで書かれている(ある意味意欲作な)のに、そういった思考が邪魔してたぶん楽しめないんでしょう。
NHK特集 江夏の21球 [DVD]
VHSを持っているのですが、デッキが壊れたので、DVDを購入しました。
天才江夏豊が最も輝きを放っていた時代です。
これだけの強烈な個性が、今の日本に育てられるのか?
史上最高の人間ドラマ”江夏の21球”を発掘したのは、山際淳司さんの功績だと思います。
NHKのスポーツドキュメントは、さらなる掘り下げをしています。
近鉄の西本監督も熱い人ですが、古葉監督も熱いんです。
そのあたりは、作中の証言で見ていただきたいと思います。
江夏の21球は、ワタシがカープファンである原点になっています。
(幸か不幸か・・・。)
解説は、野村克也氏ですが、今のノムさんと違って、しゃべりがヘタッピです。
何を言いたいか全然わかりません。
だから、相当考えて訓練したんでしょうね。
野村ノート
「奇跡を起こす3つの条件」という項がある。
1.初めてのことを何かやってみる。
2.知らない人に話かけてみる。
3.古いものに、しがみつかない。
つまり、最初から頭の中でダメだ と考えては何も始まらない。
固定観念とか、先入観を捨てて、新しいことにチャレンジすることが大切なのだ。
そして、新しい可能性が生まれ、奇跡がおこるのだ。
野村監督はゲーム中、常に「何かないかな?」と考える選手が好きである。
時に足が遅いのに盗塁する。相手のすきをついて隠し球で走者を刺したり、腕の高さを変えて変化球を投げて球種を増やすことなど
広くアンテナを張り巡らせて、いろいろな方向から頭を働かせることで
ヒントが生まれる。
野村の教えにより《楽天に奇跡が起こる》ことが今から楽しみである。
野村の「監督ミーティング」 (日文新書)
この本の冒頭に出てくる
『変化する』、『仕事、人生は結果でなくプロセス重視』と言う部分だけでも
読む価値はあると思います。
野村監督のミーティングといえば、
データ及び、結果主義に焦点を赴き
そう言った観点でミーティングをやってるとばかり思ってましたが、
上記のような人生論を語ってことには正直驚きました。
個人的に潜在意識の勉強もしてるのですが、
人間と言うのは無意識に現状を維持することに安堵感を求めてしまう為に、
変化する事を恐れてしまい、それにより成長しない事が多々あります。
プロ野球選手も同じで、
常に変化、意識を改革していく選手が最後まで生き残るようです。
そういった意味でも、
人生を大きく変えたい、もっと成長したい人にとってはオススメの本です。
野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)
仕事や他のスポーツにも、すぐに役立つ内容です。
最近、外部コーチとなり、子供達に指導する立場となりましたが、
いまいち、こちらの意図が通じないようで、困っていました。
本書を読んで、思い当たることがあり、なるほど!と感心することしきりです。
特に「教えないコーチが名コーチ」という内容は納得でした。