ドニゼッティ:歌劇《愛の妙薬》マチェラータ音楽祭2002年 [DVD]
マチェラータは、半島のアドリア海側、内陸の丘の上の中世都市。マチェラータ劇場(アリーナ・スフェリステリオ)は、もともと野外競技場で、フルには7000人も入る。ここでの夏のオペラフェスティバルは、世界的にも有名。演目は、ボエームとか、カルメンとか、アイーダとかみたいな一般受けするものが多い。それも、近年は奇抜な演出も多い。
しかし、これは2002年、と、ちょっと古い。それも、演目は、通好みのドニゼッティ。演出も地味で、セットなんかほとんどない。オケも青い揃いのシャツを着ているだけのシンプルなもの。それが、オケピではなく、ステージ上の中心に陣取っている。そして、芝居は、そのオーケストラの雛段で。指揮者やメンバーまで芝居に参加して、とにかく和気藹々とした、楽しい雰囲気が広がる。だれもかれもが顔見知りな、まさに『愛の妙薬』の田舎町の感じ。
知っての通り、もともとこのオペラ、出演者が少ない。ふつうは、有名どころの競演、となるのだが、今回は、ヴァレリア・エスポジトにアキレス・マチャード。ちょっと地味かな、と思ったのだが、うまいんだ。歌はもちろん、芝居が素敵。大舞台なのにアップの映像が多いから、表情までよくわかる。これくらいどんくさい二人の方が、この話にふさわしいんだよな。それに、とにかく大劇場。ふつうだとしょぼい村人たちが、ステージにいっぱい。ソロと掛け合いで盛り上げる。また、おいしいベルコーレ役は、エンリコ・マルッチ。ちょっと若い感じだが、さすがに声が深く、客席を引きつける。そのうえ、いかにもハッタリ屋っぽくって、インチキくさい。
まあ、ドニゼッティなんてあんまり知らない人もいるかもしれないけれど、『魔笛』のパパゲーノ・パパゲーナが好きなら、かならず好きになる。ミュージカルで有名な『ファンタスティックス』も、この翻案みたいなもの。どんくさい二人だけど、でも、ほんとうに好きなんだから、それがほんとうの幸せだよね。
ブーベの恋人 (トールケース) [DVD]
モノクロ映像による美しい陰影がまず素晴らしい。見事なカメラワークだ。
わずか20歳のマーラが、恋人のブーベが帰還するまで14年もの歳月を「待つ」選択をする。それは、彼女が20代という時間を自分のためでなく恋人のために放棄することをも少なからず意味している。それだけではない。14年なのだから、30代の半分も・・・。今、これぐらい出来る女性が果たしているだろうか。この強さは、やはりイタリアの女性ならではのものなのだろか。
ラストシーンは列車。27歳のマーラだ。まだ7年の「待つ」時間が残っているのに、彼女は毅然として列車に乗る。14日ごとの面会。ブーベの恋人としての自分を誇りに思い、彼女は今日も行く。日々を強く生きるその姿がいつまでも心に残る。
「フラッシュダンス」オリジナル・サウンドトラック
複数のアーティストの新曲や未発表曲を集めてサントラ盤を作るという、いまでは普通の手法はこの作品から始まったのではないでしょうか。そしてこの手法は翌年に公開された映画「フットルース」で定着していくことになります。
80’Sクラッシックスを代表するアイリーン・キャラの1、ヒロインの躍動的なダンスシーンで流れたマイケル・センベロの10の2曲が全米1位を獲得。そのほかにもローラ・ブラニガン、キム・カーンズら当時の人気アーティストも参加しています。
あまり知られていませんがインスト曲「愛のテーマ」3とキムの9が醸し出す切なさが、個人的には好きです。
映画、サントラともに80年代前半を象徴する時代のアイコンと言っていいでしょう。ぜひ聴いてみてください。
可愛いだけじゃダメかしら [VHS]
DVDにならないことが、とっても不思議な佳作です。
失恋した時の、誰でもが陥る、ビョーキのような日々。でも、女性なら、わかるわかると思ってしまう、胸かきむしられるような、でもバカみたいな日々。可愛いだけじゃだめかしら?というのは、失恋したイザベル・アジャーニの心の叫び!でも、女は可愛いだけじゃ愛してもらえないのは、もちろんのこと。それに気づいて行く、アジャーニのもがく姿がとっても可愛いです。
そして、どん底からアジャーニを救ってくれる脇役の大人の男女の俳優さん陣(すみません、名前はわかりません)も、すごーく味があって、いい感じなんです。しみじみと愛について、さらに人生について、、、心に沁みるコメディです!
ああ、どうか、DVDになってほしい。テレビでも放映されることもないし、、、。