森山大道「サンパウロ、路上にて」 [DVD]
森山大道がサンパウロに撮影に行った際のドキュメントだ。
森山は街を歩く。撮る。歩く。撮る。歩く。
写真は「記録」であり、「記憶」となる。
森山は同じ南米のブエノスアイレスは情感的であり、サンパウロは乾いている、という。
そして、サンパウロのほうが好きだ、と。
森山の写真は「もの」である、と思う。そこに「情感」はない。
森山の写真が海外で評価されるのは「もの」は世界共通であるからだ。
森山は「もの」を求めて歩いているのはなく、今ここにあるものをカメラを通してフィルムに焼き付け、更に印画紙に焼き付けて「もの」に変換していく。
彼は媒体なのだ。
リバース・ワールド・ツアー~ライヴ・イン・サン・パウロ~
名作「リバース」からの曲がたくさん入っており非常に嬉しい。
そして何よりも演奏力がすごい!技巧的にも全く乱れがなく、
エドゥのすばらしいボーカルはライブでも変わりない。
過去の曲も違和感なく歌いこなしている。
ツインギターの分け方もリズム隊のコンビネーションもすばらしい。
ライブでこれだけの演奏ができるバンドも珍しいだろう。
コーラスもキーボードも効いており、
質の高いパフォーマンスになっている。
音質的にはライブ感をそのまま感じさせる奥行きを持った
サウンドなっており、熱さがそのまま伝わってくる。
キーボードの音も効いていて良いのだが、
もう少しドラムに音圧を込めても良かったと思う、
「リバース」しかり、このライブしかり、もう少し低音に重みを
加えた方がさらに良くなっていただろう。
選曲もドラムソロやカバー曲を入れるのはもったいない気がする。
しかし、名盤となるライブ音源であることは間違いない。
原曲自体がすばらしく練られているので、
あえてラフにアレンジを加えてない所も非常に良い。
名曲の数々が熱い演奏でさらに、輝きをもたらしている。
アングラはリバースし本当に最高のバンドに進化した。
聖書―原文校訂による口語訳
正直なところ、売り出しの文句ほど良い聖書ではない。
フランシスコ会訳は日本のローマ・カトリック教会内で訳された聖書の中では原文校訂等で他に類をみないが、全訳するのに何十年も掛かったのは、研究熱心さというより単純に人手不足のせいであることは知る人ぞ知る事実である。
その上、いざ合本が出てみたら、「豊富な注釈」と言いながら注釈は、以前の合本新約聖書版未満のレベルでしか付いていない。
また、翻訳後、数十年の間に発展した聖書の原文校訂成果の反映も出来なかったと「まえがき」で述べている状況である。
日本のローマ・カトリック教会は本当に聖書と向き合う気があるのか疑わしく思えてくる。日本聖書協会の新共同訳を正式採用しているのだから、こちらにまで手を回す必要はないと考えているのであれば、やはり、ローマ・カトリック教会は聖書に対する真摯さが足りないと言われても反論の余地が無い。
ローマ・カトリック教会の聖書と言えば、通常、解釈のための豊富な注釈が入る代わりに、とても大きく分厚くなるのが通例だが、この聖書が分厚いのは豊富な注釈のせいではなく、英語版等のローマ・カトリック教会の聖書に比べて、字が大きく余白も広く取っているからである。
出版に当たって、違和感の無いよう名詞の使い方等に若干の修正は入ったものの、分冊版出版時の注釈等の真摯さを考えれば、この合本は、とにかく一冊にすることを優先しただけとしか言いようのない状況である。
この聖書に特有の意義があるとすれば、旧約聖書の翻訳においてヘブライ語聖書のみでなく、七十人訳ギリシア語聖書の研究もかなり反映されているところ位ではなかろうか。
新約聖書の中で語られる旧約聖書は、通常この七十人訳ギリシア語聖書のことなので、その点で評価できる。
しかし、逆に言えば、そういうことに興味があって訳文を比較したいという欲求でもない限り、多くの人にとっては今持っている聖書とは別に高いお金を出して、新たに一冊買う必要性はあまり無いように思う。
今後の見直しに期待したい。
この子を残して (アルバ文庫)
長崎を訪ねた事がありますか。如己堂という、たった二畳の小さな家が、浦上天主堂の近くにあります。放射線医学者だった、永井博士が、長崎の原爆後に生活し、文筆活動を行ったところです。自身の専攻だった放射線医学のために、大量に被爆し、慢性骨髄性白血病を発病し、予後数年といわれ、その上、原爆で妻をなくした方です。自分の亡き後に孤児になる二人の子供への手紙、子供のことを扱ったエッセイ、戦後の孤児対策について、などなどが書きつらねられています。己のように他人を愛するという、この方の真摯な生き方に心うたれますし、この文章は涙なくしては、よまれません。
ファッキング・ウィズ・ファイア~ライヴ・イン・サンパウロ 2006【初回生産限定版】 [DVD]
タワーレコードでながれていて、30秒ぐらい観ただけで即購入してしまいました。
EDGUYはLiveバンドだ!と言うだけあって素晴らしい出来です。さすがトビアス、観客の盛り上げ方を知っている。ヴォーカルも色あせていないし、演奏のバランスも由。恐らくライブバンドとしてヨーロッパで5本の指に入るだろう(ここ数年のライブDVDの中では1番です)。
少々ショックだったのはイケメン・トビアスの毛髪がかなり淋しくなっていること(ほとんど地肌見えてます)。そろそろキスケ同様ニット帽スタイルになってしまうかトビアス!(一応毛のあるトビアスを見るのはこれが最後かもしれない…)
だがライブの内容はそれすらかき消すほど素晴らしいものです。
正直、久しぶり本当にカッコイイLIVEを観させていただきました。
禿をもろともしないトビアスの勇姿をしかと目に焼き付けろ!