毎日かあさん 豪華愛蔵版(初回限定生産DVD2枚組)
マンガを読んで癌が悪い、と思ってたけど、果てしのない依存性との闘いどころではなくしてくれて、最後にほんとに家族になれていい思い出ができたのは皮肉にも癌だったから。 映画は永瀬くんがコミカルでかわいかったけど現実は依存性は薬物中毒と同じで支えようとしたらほんとに家族は潰されると思う。下手に支えようとしてはダメ。へタな戦場よりずっと危険。怖さをもっと伝えよう。当然お金さえあれば病院に入れて支えられるけどね。だからほんとに何よりお金なのだ。 だけど 大金はたいても駄作の映画も多いけど、これはハートフル。 ぜひ日本映画はお金をかける、かけないではなく脚本と演技で勝負する方向も忘れないでほしい。 キャストがよかった。 子役はかわいく永瀬くんのボケときょんきょんのツッコミがよい。だめんずでも夫婦漫才が笑えるのは観客である子供がいるから。 子はかすがいです。
生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
「無頼」ってある種類の男の小説家の代名詞だったけれど、もう女にしか成立しない言葉なのかもしれない。
男の場合、どうしてもそこにナルシシズムの匂を消せず、「「無頼な俺」を表現したい俺」という記号化された無頼をなぞるように自意識が肥大した文章や作品を垂れ流す無残なケースが多い。元来男は多くのものに守られている。家や組織や「男」という性別そのものにも守られ、「一人前の男」を目指して育ちながらも、失敗や流転を重ね、男としてのプライドを失った喪失感から無頼が始まる。喪失感に寄り添う男たちと、あらかじめ失うものもなく、最初から素手で戦う女たち。真の意味での無頼がどちらに備わっているのか、あらかじめ勝負はついている。
岩井志麻子、中村うさぎは言うに及ばず、桐野夏生や山田詠美なども(プライベートはよく知らないけれど)無頼な感じがして、中でも西原は借金を重ねながらも夫を看取り子供を育て、誰に頼るわけでもなく大量の仕事をこなしながら、人の悩みの相談に乗るにまで至った。
彼女のアドバイスはシンプルで重い。簡単に言えば、「被害者面するな。世間体とかプライドとか言ってる暇あったら、あの手この手をつかって状況を打開しろよ」ということ。その実例もわかりやすい。いじめられている子供たち、就職が決まらない学生、人間関係に悩む大人、子育てに疲れる母親。本書は少しだけれど背中を押すだろう。
夫の携帯を見て浮気を疑う妻からの相談に「携帯を見たあんたが悪い。勝手に携帯見てる時点で夫婦終わってるだろ」と男が言ってもぜんぜん説得力なくて、やっぱり西原だから響くんだろうな。
パーマネント野ばら [DVD]
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、「クヒオ大佐」に続く吉田大八監督の最新作。
原作者が西原理恵子である事と菅野美穂、江口洋介、小池栄子らが主要キャストである事以外、何の情報も持たずに観たが、まさかこんな展開になるとは、、、。
ある寂れた港町でのただひとつの美容院パーマネント野ばら。ここに集まる常連客の熟女?たちは、店主の夏木マリを始め、幾つになっても男好きな人たち、日々猥談に興じながら、かしましい事この上ない(笑)。
その一方で、オトコへのそんな吹っ切れ感など無縁な3人の女性たち。みんな誰かを愛したい、愛されたい、でも、愛したくても満たされない、上手くいかない愛。悲しい秘密と淋しさを秘めながら、男運がない事を引きずっている幼な友達たち。
かなりブラックでシュールなユーモアに笑いながらも、やっぱりこれは儚くて淋しい恋愛映画。
終盤からドラマは急展開し、観る者を動揺させるが、壊れかかってしまうような危うくて脆い精神を優しく包容してくれるラストが救いだ。
苦悩し、ヘヴィな気持ちで一杯一杯な部分で生きている人たちへ勇気を与えてくれるような優しい作品。
かけがえのない友情、その思いやりに心打たれながらも、でも、やっぱり切なすぎる。
鴨志田穣・西原理恵子ラストコラボレーション 戦場カメラマンの唄
おそらく、知らない人にとっては、他愛のない1冊の本かもしれません。
でも、ファンを含め、知っている人にとっては、そんなことは関係ないでしょう。
本書では「豪華メンツ」が鴨志田さんを思い思いに語られています。
思い出か、思い入れか。それぞれの心の中の鴨志田さんがそこにいます。
多くの写真も掲載されています。何だか、みんな、笑った顔ばかりです。
胃痛とストレスに悩む日本人が忘れかけていた、屈託のない笑顔が並んでいます。
そして「鴨ちゃん」を描ける唯一の人、西原理恵子さんのマンガもあります。
西原さんが描く鴨志田穣さんは、時折「人間」としてはどうかと思われるような
振る舞いを見せてくれますが、父として、また、人として真っ当な人であることを
彼女自身の筆が語ってくれています。愛だよ、愛。
CDブックなので、当然ながらCDがついています。
このCDは、必ず笑いながら聴き、決して歌詞を人前で読んじゃイケマセン。
何だか分らないけど、とても恥ずかしい事になってしまいます。
でも、大切な人の前だったら、良いかも知れません。
ファンのための、そんな1冊
副題は「鴨志田穣・西原理恵子ラストコラボレーション」
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)
西原先生の本は全部読んでいますが、
「カネの話かぁ…」と読むのを躊躇っていました。
でも読んでみるやいなや…
「カネの話なんてはしたない」
なんて思ってる人がいたら声を大にして言いたいです。
そんな考えは捨ててしまいなさい!!
そのくらい真剣に深刻に濃密に描かれた、
現代の歪んだカネの価値観の裏側にある本当の“人間”のお話。
お金は人の生活に密接しているんです。
お金は生き方なんです。
お金は人の人生や命、お金は人の血肉なんです。
お金は暮らしであり、死ぬほど現実的な問題です。
でも現代人はどうしてもお金の問題から目を逸らそうと考えてしまう。
お金の話なんて意地汚い、そういう考えがいつの頃からか美徳にされてしまっている。
でもお金から目を逸らすことは、人間自身の姿から目を逸らすことなんです。
私はこの本を読んでどれだけ自分が甘かったかと打ちのめされ、
また西原先生の一つ一つの言葉に共感し、揺さぶられ、泣いてしまいました。
それだけカネの話を考えることは人間として最も大事な気持ちの部分をも考えることになるのです。
そして貧乏と家族とにさんざん苦しんだ西原先生だからこそ語れるこのエッセイ。
物凄い圧力と説得力です。
それでありながら、やはり叙情的です。
先生の真剣すぎるくらい真剣な想いがつまっています。
この本を読んだら間違いなく価値観が変わることでしょう。
お金だけでなく、人生や生き方、人間としてのあらゆる価値観に影響を受けると思います。
お金や人間を学ぶのならまずこの本を読め!
自分に子供ができたらそう言って読ませたいと思います。